LILY OF DA VALLEY

LILY OF DA VALLEY(リリー・オブ・ダ・ヴァレー)は、Dragon Ashの4枚目のアルバム。この頃のDragon Ashは「ロックとヒップホップの融合」をテーマとしており、そのコンセプトが色濃く現れている作品。
タイトルの「da」部分があるので造語ですが、「a lily of the valley」とは、百合(ユリ)ではなく、ユリ科の植物 鈴蘭(スズラン)になるそうですね。

1. Intro

前作から同様、1.Introからの導入はさすがDA。Dragon Ashの真骨頂はアルバムのイントロにあるといっても過言ではないでしょう。電子音が響き渡り、半端ない期待感を感じさせ、この時点で気分が盛り上がります。

2. 21st Century Riot

そのままの流れで、1.をサプリングした2.21st Century Riotが始まります。珍しく時事ネタを攻撃的な歌詞に挟んだ曲です。

3. Glory

4. Amploud

ラウドで分厚いサウンドと、7thシングル「Deep Impact」で得た、攻める攻撃的なリリックを基盤に、ヒップホップとロックの融合を果たした作品。しかも、単純なオラオラ系ではなく、ベースラインやメロディーの取り方、スクラッチの入れ方がオシャレですよ。ギターソロとベースソロ、ラップを連続している最後の部分は必聴です。「Amploud」とはKjの考えた造語。MVには、SBKやRIP SLYME、そうそうたるメンツが参加しています。前作の9thシングル「Lily’s e.p.」からのリードトラック。3.Gloryとのつながりと5.Bring Itへの流れがこれまたテンションが上がります。

5. Bring It

このアルバムを代表する楽曲だと個人的には思っています。過去のDragon Ashの楽曲とは違い、メロディというよりもギターリフが効きまくっていますね。かと思いつつ、サビではメロディーを聞かせて歌わせるような曲構成がおもしろいですね。とにかくリフがかっこ良く、耳に残る、「ミクスチャーロック」というジャンルを色濃く出したナンバー。Liveでは、ミキサーのシャウトに合わせて跳ねるKjがカッコイイ。

6. Sunset Beach

前曲とは一転して、夏の夕方を思わせるスローテンポでギターのメロが印象的な6.Sunset Beachが始まる。しかしサビではキチンと上げてくれる。5.が身体が暴れるような盛り上がりだとすると、6.は叙情的に盛り上がる。サビ前のドラムの「カンッ」って甲高い音が最高に気持ちいい。MVもおすすめ。

7. My Friends’ Anthem

続いて、アコースティックのリフがこれまた叙情的な7.。友に向けた歌詞は仲間意識の強さを感じさせる。そして、メローな雰囲気はそのまま、静かに次曲へのイントロへつながります。

8. 百合の咲く場所で

未だにliveでも演られている8.百合の咲く場所で。低く静かに歌うメロ、しかし打って変わってサビでは、暴れるような歪みの音と、Kjの叫ぶような声、叙情的な歌詞。これこそDragon Ashの醍醐味。黄金比。と言える作品。「Fever」や「Face to face」「Freedom of Expression」「Curtain Call」などとも通じるものがありますよね。ちなみに、個人的にはliveでのサビ前のサクのドラムがかなり好きです。アガりますね。

9. Aim High

こうなるともう止まりません、9.Aim Highでは、さらに歪みの効いた低音とスクラッチ音で縦ノリ、横ノリにさせられる。タイトルの意味は(訳:高みへ)。ラップの歌詞はファッションブランドばかり出てくる、謎。でもかっこいい。

10. Revolater

打ち込みドラムンベース。電子音と割れたギター音でイントロのメロディーがよく分かりません。後に総合格闘技団体DREAMにおいて使用されるようになったそうです。サビの前のリズムの取り方が、自然とカラダが縦揺れになりそうな名フレーズです。この9.10.が、音も歌詞も5thアルバム「Viva la Revolution」から日本のロックシーンに革命を続けるDAらしい楽曲だと思います。

11. Deep Impact

タイトルのとおり、当時中学生だった筆者も大きな衝撃を受けました。実家で大音量で音源を流し、ベッドの上で飛び跳ねながら聴いていたことを思い出します。featuringにラッパ我リヤが参加。かなり攻撃的かつハードなサウンドで、鼓膜と心臓にズンズン刺さります。サビの歌詞の通りです。ジャンルの隔たりがあった、ロックとヒップホップ。その壁を(良くも悪くも)彼らが取っ払ったのでしょう。ファンク、ソウル/R&Bのバンド、アヴェレージ・ホワイト・バンドの「School Boy Crush」をサンプリングしており、しばらく権利問題になっていました。MVにはSBK(スケボーキング)のHAKUCHOがギター担当で出演しています。ベースのIKUZONEはライトセーバーを振り回してます。

12. 静かなる日々の階段を

このまま息継ぎもできないのか…と考えてたとろ、あのアコギのフレーズ。12.静かなる日々の階段を。当時社会現象にもなった映画「バトルロワイヤル」の主題歌でも有名ですね。これも前作の9thシングル「Lily’s e.p.」の収録曲。高校生の頃アコギを手に入れてまず、あの「ジャーン」を弾いてみたものです。単調なフレーズなのですが、飽きさせないストーリー仕立てのリリックが効いていますね。こういった曲調と展開、ストーリーを書かせたらKjはピカイチですよね。

13. Lily of da Valley

締めくくり。

14. Outro

15. Episode 2 ft. SHUN,SHIGEO(album version)

初回限定盤のみ収録。

16. 花言葉

そして忘れてはいけない名曲、ボーナストラック16.花言葉。アコギのメロディーとKjのかすれた歌声が心地良く、ファンの間でも有名な名曲です。

No.titlerate
1.Intro
2.21st Century Riot
3.Glory
4.Amploud
5.Bring It
6.Sunset Beach
7.My Friends’ Anthem
8.百合の咲く場所で
9.Aim High
10.Revolater
11.Deep Impact feat. Rappagariya
12.静かな日々の階段を
13.Lily of da Valley
14.Outro
15.Episode 2 ft. SHUN,SHIGEO(album version)
Bt.花言葉

アルバム全体を通してはミクスチャーロックというジャンルが日本で浸透する前身となった作品でしょう。RockとHip Hopの融合を見事にさせたアルバム、そのために是もあれば、非もあったことでしょう。

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